武蔵美 長谷川研究室 卒業・修了展 2022

武蔵美市ヶ谷キャンパスができてようやく4年が経ちました。

僕も新学科・大学院研究科ができたタイミングで着任し、これまで修士は二期生まで送り出してきましたが、初の学部一期生と修士三期生によって、市ヶ谷キャンパスにて卒業・修了展を開催することになりました(これまでは鷹の台にて開催)。

今年度の長谷川研究室の卒業・修了生は学部21名、修士5名という大所帯。

学科の方針として基本的には研究室単位ではなく、学科・研究科として展示を行っているため、建物内に散ってしまっているのですが、うちの研究室だけでクリエイティブイノベーション学科/大学院クリエイティブリーダーシップコースを体現しているほどバリエーションがありますので、楽しんでいただけると思います。以下フロアごとに紹介します。
(展示は、地下二階、地上二階、三階、四階、五階の5フロアです)

1月20日〜22日で開催です。
予約が必要ですので、下記からどうぞ:

特設サイトは以下:

地下二階

安井彩乃/コーポレイティブ・アート- 人とアートの協調行動を生むインタラクションシステムの研究
人とシステムの相互作用でアートを生み出すという意欲的な作品。ふしぎな体験です。

テイ・ハクロウ/Across the waters: 感情を可視化するインスタレーション
生体センサとふるまいのトラッキングによって、感情を推測し、それを表現するインタラクティブシステムです。面白いです。

ハン・チユン/耳に触れる
音と人との関係からスタートした研究。「耳の形態」の多様性を表現しています。

露久保理子/イルカを食べることは
「生き物」と「食べ物」との境界はなにかを感じてもらう体験です。ぜひ感想を残してください。

二階

コウ・ガブン/代替を超えるバイオ素材
キノコ素材の新しい可能性の探索のために、子供達とおもちゃを作っていく活動の実践を行っています。

神尾雅史/鍋をするように、
「作りながら日常を送っていく」という生き方を、そのまま作品として表現しています。

修士

曽我修治/受動社会から中動社会への変遷を促す地域デザインの考察
個々人の生き方について、中動態の概念を用いた活動を設計し、実践しました。

米田真依/心的イメージをもたない アファンタジア当事者に とっての「アファンタジア」 意味経験
イメージを思い浮かべることができない「アファンタジア」という症状について、膨大なインタビューを通して理解を試みます。

三階

藤田麻里/刹那・ザ・セツナ
「キャラクターに心を惹かれる」とはなんなのか、を試すために、実際にゲームコンテンツやキャラクターを作り込みました。圧巻です。

金谷泰平/メヂカラー非現実的な瞳たちー
本人の日常の視点から探索を行った結果、見たことのない世界が生まれました。

伊藤里紗/私たちにとって、キャラクターの「死」とは
物語における「死」を考えるために、死と生の世界を作りました。

論文展示

槻木とわ/学校校歌に出現する語の文学性と地域性について -歌う土地 歌われる土地 -
日本の高校620校の「校歌」を分析し、そこから校歌とはなんなのか、地域とはなんなのかを探ります。力作。

小島響/新宗教における宗教美術
新宗教において、シンボルや建築がどういった役割を果たしているのかを探ります。

丸山源登/今後、社会の停滞を引き起こし得る「生活者の非移動化」の解決に 繋がるイベント集客支援サービスの提案
コロナ禍において、あるべきイベント情報サービスを探ります。

四階

角田創/膨大な情報から、既知でない情報に辿り着くインターフェースの考案
「自分が知らない情報」と出会うためのインターフェイスを試作しています。展示会場ごと作ってあります。

中村真理/ものモノ物もの
「生活」を、それを構成するものから見る試みです。中村さんの生活のすべてがそこにあります。

田中悠里/とけこむ〜バーチャルな存在と、人間のわたしが一緒に暮らす部屋〜
空間にキャラクターを浮き上がらせ、共存する環境を作ります。

皆越涼馨/血管
本人の「血管愛」がにじみ出る作品です。血管とは愛。

五階

浦山紗理奈/あなたは誰とも分かり合えない
ジェンダー、結婚制度、出産といった課題について、トランジションデザインのアプローチで研究を行いました。力作です。

松吉遼太/知らない場所を思い出す。
架空の世界を作り込むことで人の想像力自体を問います。

西海晴人/The nameless museum
「名前をつける」ことをテーマにしたゲームです。体験できます。

大堀亜紀子/おまえはたまたまタコではない
インクルーシブデザインの2年にわたる研究の成果が演劇で表現されます。毎日13時から上演です。

長谷川稜/映像制作プロセスの開示と 作品への影響
映像制作という行為において、監督とメンバーのコミュニケーションが作品にどのように影響を与えるかを追っています。

修士

秋山裕俊/VR体験価値の体系化と理解促進のための探索的研究
VR体験とはなにか、の価値を抽出しました。展示ではそれ自体を体験として具現化しています。

上田哲也/先延ばし行動を解決する手法の研究 −パターン・ランゲージを活用した先延ばしを防止する方法の形式知化−
「先延ばし」の解決をパターンランゲージ手法で形式知化しています。実際のサービスに結びつける示唆を作品化しています。

ムン・ソヨン/宇宙環境を用いた文化的生活のデザインについての研究
「宇宙での生活」をどのように考えるか、の方法論を研究しています。展示ではその活動の成果を可視化しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?